商品タイトルは「書く」のではなく「組み立てる」。Google Merchant Center 向けタイトル組み立てシミュレータを公開しました

Google Merchant Center の商品タイトルを、属性ブロックを並べ替えながら組み立てて検証できるツールを公開しました。無料で、登録も不要です。

「このタイトル、スマホだと後半が切れています」

フィードの改善提案で何度も口にしてきた指摘ですが、言葉で説明してもなかなか伝わりません。実際に見てもらうのが一番早い。そう思って、見てもらえる形にしました。

なぜタイトルの「順序」が問題になるのか

Google Merchant Center の商品タイトルには上限があります。150文字、全角なら75文字です。

ところが、実際にユーザーの目に入るのは、Google Merchant Center のヘルプによれば、先頭70文字(全角35文字)程度。実際の掲載面では、先頭30文字程度(全角15文字程度)しか見えないケースも珍しくありません。つまり「入れられる量」と「見える量」には倍以上の開きがあります。

ここで誤解しやすいのは、「見えない部分は無駄」ではないということです。切り捨てはあくまで表示上のことで、タイトルは全体が検索語句との関連性評価に使われます。後半に置いた素材やサイズも、ユーザーの目に入らないだけで、検索とのマッチングにはきちんと効いています。だから「どうせ切れるから削る」は誤りで、必要な情報は上限の中にきちんと入れておくのが前提です。

そのうえで問題になるのが順序です。関連性のために入れる情報と、ユーザーに見せたい情報は同じではありません。ブランドを最初に出すのか、商品カテゴリなのか。色とサイズはどこまで含めて、どの位置に置くのか。何を入れるかは検索意図と商品の整合性を高めるため、何を先頭に置くかはユーザーのため。 同じ情報量でも、並び順しだいで「見えるタイトル」はまったく別物になります。

良いタイトルは「書く」のではなく「組み立てる」

タイトルの検討を「文章を練る」作業だと捉えると、商品数が増えた瞬間に破綻します。1,000商品あれば1,000回悩むことになるからです。

そうではなく、タイトルを要素に分解して考えます。

ブランド + 素材 + 商品カテゴリ + 特徴 + 対象 + 色 + サイズ

たとえば「○○○ メリノウール 5本指靴下 暖かい厚手 レディース グリーン 23-25cm」というタイトルは、7つの要素をこの順で結合したものです。要素とその順序さえ決めてしまえば、あとはフィードの属性データから機械的に生成できます。個々の商品で悩むのは値であって、商品タイトルの構造ではありません。

そして構造は、Google Merchant Center の属性ルールという機能を使うことでで全商品に一括適用できます。属性が整ってさえいれば、商品数が1万でも構造の変更は一度で済みます。ここが、1本ずつ手で書いたタイトルとの決定的な違いです。

一括で適用できるからこそ、事前の設計が必要になる

ただし、一括適用には裏面があります。設計ミスも一括で反映されるということです。

数千SKUに属性ルールを適用してから「サイズが全部切れている」と気づくのでは遅いです。かといって、いきなり Google Merchant Center 上で属性ルールを試行錯誤するのは心理的にもやりにくいものです。審査に影響する変更を、当てずっぽうで繰り返すわけにはいきません。

必要なのは、適用前に構造を検証できる場所です。

今回のツールは、その「リハーサル環境」として作りました。代表的な商品を1本入れて、並びを何パターンか試して、どこで切れるかを確認して、構造を確定させる。確定した並びをそのまま属性ルールに落とせば、あとは全商品に流れます。

1本のシミュレーションが、数千本の設計になる。 これがこのツールの使いどころです。

ツールでできること

属性ブロックをドラッグで並べ替えると、組み立て結果がリアルタイムに変わります。ブロックごとに色分けされているので、完成したタイトルのどの部分がどの属性由来かがひと目で分かります。

一番の見せ場は表示幅のスライダーです。動かすと、その幅で表示されない部分がグレーに沈み、下の掲載イメージも連動して「…」で切り詰まります。

たとえばサイズを末尾に置いた状態でスライダーをモバイル相当まで絞ると、サイズが表示から消えます。検索とのマッチングには効き続けますが、ユーザーの目には入らない。「サイズを後ろに回すと、見た目上は何が犠牲になるか」が、説明ではなく目で分かります。

文字数のカウントは上限150(全角75文字)に対する現在地を常に表示し、超過すれば警告します。さらに、文字数だけでなく書式もチェックします。「送料無料」のような宣伝文(タイトルには入れられない決まりです)、目立たせるための記号、色や素材の区切り方の誤りなどを自動で検出します。

日本語と英語の両方に対応しています。

このツールは、タイトルをたくさん作るためのものではありません。作るための道具ではなく、決めるため・伝えるための道具です。設計の事前確認のほか、クライアントとの打ち合わせで画面を見せながら合意を取る、社内研修などで150文字と表示70文字のギャップを体感してもらう、といった使い方を想定しています。

設計で気をつけたこと

公開ツールとして、2つのことにこだわりました。

ひとつは、入力した内容がブラウザの外に出ないことです。このツールはサーバーを持たない静的なページとして作られており、入力データを送信・保存する仕組みがそもそも存在しません。すべての処理はブラウザ内で完結します。クライアントの未公開商品データを入れて検討する場面でも、安心して使えます。

もうひとつは、ツールが嘘をつかないことです。たとえば condition(商品の状態)や gender(対象性別)といった属性は、値が既定値に限定されています。「レディース」と入力したつもりでも、属性ルールで実際に結合されるのは「female」という英字です。この食い違いをシミュレータ上で再現できない以上、それらの属性はあえて選択肢に含めていません。ツールに載っている数値やルールは、すべて公式ヘルプで裏取りしたものだけです。

おわりに

タイトルの構造を決める場面、クライアントに切れ方を見せたい場面、チームで認識を合わせたい場面で、気軽に開いてもらえたら嬉しいです。

改善のアイデアや「こういう属性も欲しい」といった要望があれば、ぜひお寄せください。Yuwai Labs では今後もこうした実務ツールを追加していく予定です。