2025年に実施される Google Merchant Center の商品データ仕様変更

例年、第二四半期に Google Merchant Center の商品データ仕様の変更が行われますが、今年は2025年4月8日(米国時間)に発表がされました。

本記事では2025年に実施される Google Merchant Center の商品データ仕様の変更点について、筆者のコメントを交えてまとめてみます。

全体を見渡すと、日本における一部の販売者は更新の影響を受けるかも?くらいの変更なので、ほとんどの販売者はこの更新による影響を受けることはないと考えられます。

2025年4月8日時点で変更済みのもの

分割払いの価格が設定された商品の頭金に対する価格 [price] 属性のサポートを終了

分割払い [installment] 属性の頭金 [downpayment] サブ属性を使用し、価格 [price] 属性には、分割払いではなく全額前払いの場合の代替価格を指定する必要があります。

キャリアとの契約前提で販売されるモバイル端末に関しては、分割払いによる販売に対応しています。

これまで頭金を価格 [price] 属性に設定できましたが、今後 価格 [price] 属性には端末代金の全額を設定し、頭金は 分割払い [installment] 属性の頭金 [downpayment] サブ属性に設定する必要があります。

キャリア契約前提のモバイル端末を分割払いで商品掲載を行う販売者に影響しますが、一般的な EC サイトではそもそも分割払いを設定した商品の掲載がほぼできないはずなので、影響は小さいと見られます。

EU 加盟国では、省エネ性能属性が、より一般的な認証 [certification] 属性に置き換えられます

これにより、EU において省エネ性能を視覚的に示すラベルの貼付が義務付けられる商品について、確実に対応できます(改訂版改訂版以外のどちらのラベルにも対応しています)。省エネ性能属性は、ノルウェー、スイス、英国で販売される商品では引き続き使用できます。

これまでは 省エネ性能 [energy_efficiency_class] 属性最小省エネ性能 [min_energy_efficiency_class] 属性最大省エネ性能 [max_energy_efficiency_class] 属性が用意されていましたが、認証 [certification] 属性へ移行することにより、各地の法律に確実に準拠できるようになります。

EU 向けに販売される家電などには省エネ性能を示すラベルの貼り付け(表示)が義務づけられているため、EU に向けて家電を販売するなどのケースでは対応が必要そうです。国内販売のみの場合はそもそも対応不要です

新しい送料属性

既存のアカウント単位の機能を反映して、商品単位でより多くの送料オプションが追加されます。これには、新しい運送業者の送料 [carrier_shipping] 属性に加え、新しい発送準備営業日数 [shipping_handling_business_days] 属性お届け営業日数 [shipping_transit_business_days] 属性が含まれます。これらの属性を使用すると、発送準備とお届けに要する営業日数を指定できるため、ショッピング広告と無料リスティングで正確なお届け予定日数を表示できます。

運送業者の送料 [carrier_shipping] 属性

配送にかかる送料を指定します。[shipping] 属性も送料ですが、[shipping] 属性は販売者として請求する、政府により課されるものでない配送関連の追加料金をすべて登録する必要があります(例:サービス、処理、アクティベーションの料金や、手数料など)。

一方で、[carrier_shipping] 属性は純粋な配送料のみを指定します。日本では未対応ですが、対象となる配送サービス会社を指定することで、送料を自動反映する仕組みもあるようです。

日本の場合、配送料に追加料金を請求されることがあまりない(配送料に包含されている)ので、この属性を使うことはないかなと思います。ただし、日本国内から海外へ配送している事業者は使い道があるかもしれません。

発送準備営業日数 [shipping_handling_business_days] 属性、お届け営業日数 [shipping_transit_business_days] 属性

これまでアカウント単位で設定できた、販売者が配送業者に商品を引き渡すまでの日数を示す「発送準備時間(日数)」と、配送業者が顧客に商品を届けるのに必要な日数を示す「お届け日数」が商品単位でも設定できるようになりました。

家具などの大型商品など、個々の商品で配送日数が異なるケースなど活用できそうです。なお、この属性を使うとアカウントの設定よりもこの属性値が優先されます。

2025年7月1日以降の変更

メンバー価格に関するガイダンスの更新

価格 [price] 属性またはセール価格 [sale_price] 属性にメンバー価格を指定することはできなくなります。この変更は世界中で適用され、有料と無料の両方の会員プログラムのメンバー価格が対象となります。代わりに、ポイント プログラム [loyalty_program] 属性を使用して、ポイント プログラムを利用できる国でメンバー価格を登録してください。

この日以降、価格 [price] 属性またはセール価格 [sale_price] 属性にメンバー価格を含めると、商品やアカウントが不承認になる可能性があります。

これまで価格 [price] 属性またはセール価格 [sale_price] 属性にメンバー価格を指定できてしまっていたことが驚くのですが、これが今後認められなくなるという更新です。代わりにポイント プログラム [loyalty_program] 属性サブ属性である価格 [price]に設定します。これによって非メンバー価格とメンバー価格を並べて表示することができるようになるとのことです。

注意事項として、会員がログインしないとアクセスできない商品ページに掲載されている商品は不承認になります。会員種別を問わず誰でもアクセスできるページに通常価格とメンバー価格と併記し、会員がログインしたらカートに追加される商品の価格がメンバー価格となるようにしましょう。

※2025年4月10日追記

日本ではポイント プログラム [loyalty_program] 属性を設定して表示出来るのはポイントの部分のみでした。そのため、メンバー価格を設定しても表示はまだされませんが、今後の機能改善に期待しましょう。

売上税属性の削除

販売者は、米国の売上税を(税金 [tax] 属性税のカテゴリ [tax_category] 属性、または Merchant Center の税金設定のいずれかを使用して)指定する必要がなくなります。この変更により、現在税務情報が不足しているために不承認となっている商品が、トラフィックを獲得できるようになります。これに伴い、関連するキャンペーンの費用に影響が及ぶ可能性があります。

米国に納税する必要がある事業者は税金 [tax] 属性税のカテゴリ [tax_category] 属性を設定する必要がありましたが、この設定が必須ではなくなりました。設定ができていなかったことが原因で表示されなかった商品が表示されるようになるため、Webサイトへのトラフィック(無料・広告問わず)に変化が起こる可能性があります。

米国に納税する事業者向けの属性のため、米国以外で事業を行っている販売者への影響はありません。

まとめ

2025年のアップデートは小さな規模だったように見受けられました。

日本国内のみを対象としている販売者であれば、今回の更新による影響はほとんどないと見られますが、メンバー価格に関するガイダンス更新を期にポイント プログラム [loyalty_program] 属性を活用し、メンバー価格と非メンバー価格の両方が表示出来るような準備はしておけると良さそうです。

毎年の仕様更新だけではなく、アナウンス無しに更新される仕様もあるため、大きな影響を受けそうな更新を発見したら本ブログで改めてお伝えしていきます。