少し前より、Google Merchant Center 上で登録された商品の情報を個別に閲覧していると、商品アイテムステータスの欄に属性値が無効です[タイトル]という警告が表示されるようになっています。
ファインド広告やデマンドジェネレーション広告と Google Merchant Center の商品情報を連携する場合は、ショッピング広告や Google 広告のポリシーに加えてこの要件を満たす事が必要となっています。
上記の警告は商品単位の不承認ではありません。
ショッピング広告や無料リスティングなどは従来通り表示がされますが、ファインド広告やデマンドジェネレーション広告は表示されないという事を表します。
ファインド広告やデマンドジェネレーション広告を実施する場合は、商品単位でこの警告が表示されていないか事前に確認してみましょう。
また、残念ながら、この警告は2023年10月7日時点で、商品メニューの診断ページから確認できるものではなく、登録されている商品を個別に閲覧しているときのみ表示が確認できるようになっています。
つまり、どの商品で警告が表示されているかは、Google Merchant Center 上から一覧で確認できるものではないため、この警告に気づきにくくなっている点に注意する必要があります。
ファインド広告やデマンドジェネレーション広告における、追加の商品フィード要件
ファインド広告やデマンドジェネレーション広告で広告を表示するための要件として、Google Merchant Center のヘルプページでは次のようなものが挙げられています。
商品フィードのうち、テキストのアセットで構成されている属性に対してチェックが行われているように見受けられます。
広告としてのテキストは商品フィードの中でもタイトル [title]属性のみ表示されるので、基本的にはタイトル [title]属性で指定しているテキストがこの要件に沿っている必要があると理解をしておけば概ね問題ないでしょう。
特に注意したい「羅列(Pile-up)」の要件
追加の要件のうち、文法や重複、不適切な書式などは誤りを見つけやすいので、傾向の対象となっても修正をすることは難しくありません。これらは Google 広告の編集に関するポリシーでも同様の要件がありますので、特に目新しい要件ではありません。
しかしながら、一方でこれまでに提示されたことがない「羅列」(英語版ポリシーでは “Pile-up”)という要件が存在しています。
羅列
区切り記号または文字(ピリオド、コロン、パイプ、丸かっこ、「または」、「の」、「および」など、ただしこれらに限らない)の前に 10 語を超えるテキスト アセット。例
ファインド広告の商品フィードの要件 – Google 広告 ヘルプ https://support.google.com/google-ads/answer/13311708?hl=ja
「90 年代ストレート ブルーデニム サイドポケット付きハイウエスト ダメージ ジーンズ女性用 S」
ヘルプの日本語が難解なのですが、区切り記号や接続し等で区切られた結果、10語を超えるようなテキストアセットになっている場合はこの要件を満たさないという理解をすれば大丈夫そうです。
上記、ヘルプの例では「90 年代ストレート ブルーデニム サイドポケット付きハイウエスト ダメージ ジーンズ女性用 S」で7語、要件を満たしているように見えるのですが、英語版のヘルプでは、下記のような例文になっています。
Pile-up
Text assets that are longer than 10 words before a delimiter, such as, but not limited to, period, colon, pipe, parenthesis, “or”, “in”, “and”, “for” or “by”.
Example
Product feeds for Discovery and Demand Gen ads policy requirements – Google Ads Help https://support.google.com/google-ads/answer/13311708?hl=en
“Straight leg 90s jeans blue denim side pockets high-waist ripped women size S”
“Straight leg 90s jeans blue denim side pockets high-waist ripped women size S” なので、13語となり要件を満たさなくなります。
つまり、ショッピング広告を利用しつつファインド広告やデマンドジェネレーション広告も利用する場合は、タイトル [title]属性で使用する単語数は10を超えないようにルール化する必要があります。
特に検索語句との関連性を高めるために、タイトル [title]属性内に様々な単語を盛り込んでいるような場合は要注意です。
審査のバグも発生している様子(2023年10月7日現在)
この追加の要件に関する警告については、要件を満たしているのに警告が表示されていたり、逆に要件を満たしていないのに警告が表示されていないケースが発生しています。
現在発生しているバグは将来的に解消される可能性があるため、基本的には全ての商品がこの要件に沿うように修正することをお勧めします。
なぜこの要件に注目しているのか
特筆すべきは今回紹介した「羅列」と「過度な詳細」の要件です。
ショッピング広告でトラフィックを多く得る為には、さまざまな検索語句を想定してタイトル [title]属性に単語を盛り込むというケースが多々見受けられます。
ひと昔前、Google がショッピンググラフをローンチ以前の世代のショッピング広告では、そもそも Google Merchant Center を利用している事業者数も少なく、商品情報も少なかったということもあり、情報を盛り込むことで広告が表示されやすくなるというケースもいくつか見ています。
しかしながら事業者数の増加(=商品データの増加)や機械学習の発達によって、そこまで情報を盛り込まなくても適切な商品情報を返せるようになってきた今、過剰な商品情報はむしろノイズであるという判断を Google がこのタイミングでしたのではないか?と推測できます。これだけの商品情報が集まれば、同一GTIN値を持つ商品で、シンプルなタイトル vs 情報過多なタイトルのデータを持っていてもおかしくありません。
これらの要件はファインド広告やデマンドジェネレーション広告に対するものではありますが、先述の仮説が正しければ、いずれショッピング広告や無料リスティングなど他のプログラムでも、商品データの品質の内のいち要素ともなりうる(もしくは既に評価対象になっているかもしれない)のではないかとも考えています。
タイトル [title]属性の値を決めるルールを策定したり見直す際には、これらの要件も加味しながら適切な値を設定できると良いでしょう。