※追記あり 【2023年12月版】 Google Merchant Center Next を使うか否かの判断基準

Yuwaiにて支援している事業主さまの Google Merchant Center アカウントではまだ確認ができませんが、一部の Google Merchant Center アカウントユーザーに対して、2024年1月上旬より順次 Google Merchant Center Next へ自動アップデートを行う旨のアナウンスが開始されているようです。

Google Merchant Center Next は、従来の Google Merchant Center の次期バージョンに当たり、これまで利用されてきた従来版の Google Merchant Center アカウントは、2024年内に Google Merchant Center Next アカウントにアップデートすることが予定されています。

※この記事では、従来の Google Merchant Center をクラシック版、Google Merchant Center Next をNext版として扱います。

※追記

2023年12月2日、Google Ads の Liaison である Ginny Marvin 氏が、来年早々にも Google Merchant Center Next にフィードのルールと補助フィードの機能を実装するとのコメントが X(旧 Twitter) でありました。

DeepL にて翻訳した内容が下記です。

ルールと補足フィードのサポートは来年早々に予定されており、多くの加盟店にとって重要であることは承知しています。これらの機能がGMC Nextで利用可能になるまで、これらの機能をご利用の加盟店様には移行をお勧めいたしません。既存のルールはすべて移行後も機能します。

GMC Nextに移行し、その間にこれらの機能にアクセスする必要がある場合は、クラシックモードに切り替えることができます。手順はこちらをご覧ください : https://support.google.com/merchants/answer/12568804?hl=ja

https://twitter.com/adsliaison/status/1730638270994776514

現時点で Google Merchant Center Next への移行は自動で行われてしまうため、アカウントによってはフィードのルールと補助フィードの機能が利用できるようになる前に移行されてしまう可能性はあります。

その場合は前述のポストまたは本記事の後半で触れているとおり、Google Merchant Center Next からクラシック版に戻す作業を行う必要があります。

クラシック版とNext版の違いについて

クラシック版とNext版は基本的には同じ機能を持ち合わせる事が予定されていますが、Next版ではクラシック版にない新しい機能が利用できるようになる予定です。

例えば次のようなものが予定されています。

  • Product Studio(AIを活用した商品画像の編集機能)
  • 商品情報の自動生成(構造化データがなくてもクロールデータから商品データを生成できる機能)

この他にも新たな機能が追加されていく予定のようですが、2023年11月末時点で判明している主な新機能は前述の通りです。

クラシック版にある機能で、Next版にはまだ無い機能がいくつか存在する

Next版固有の機能については1つ前の項目で紹介いたしました。

これらの機能を早く使ってみたい!早くNext版が利用できるなると良いな!と思っていらっしゃる方、Next版には大きな落とし穴があることを把握しておきましょう。

実は2023年11月末時点で確認できている情報では、Nextにて次の機能は全く利用できません。

補助フィード

Google Merchant Center にアップロードされた商品情報を、補助フィードと呼ばれる別のフィードを利用することで、一括上書きすることが可能な機能です。

この機能により、連携しているカートシステム上の商品情報を直接編集することなく、Googleに掲載される商品情報を後から書き換えることが可能なので、商品毎にクリックしてもらいやすいような商品タイトルに編集するなど、編集したい商品毎に編集ルールが異なったり、スプレッドシートなどの表計算ソフトで管理したい場合に有用です。

商品フィードのアップロード → Google Merchant Center への登録 → 補助フィードによる情報上書き

というフローになるので、後処理工程として利用されます。既に登録されている商品に対して上書きを行う機能なので、新商品が追加される度に補助フィードの編集が必要です。

フィードのルール

こちらも補助フィードと同様に、Googleに掲載される商品情報を書き換える機能ではありますが、正規表現などを使って編集対象の商品をフィルタリングし、文字列の書き換えや、情報の補完(色やサイズの値が入っていなかったら、商品説明から値を抽出して補完するなどの使い方)などの編集を、商品フィードのアップロード前に処理するというのが補助フィードと異なる点です。

新商品が追加されてもルールによって自動で処理ができるので前処理工程として利用されます。

商品フィードのアップロード → フィードのルールによる前処理 → Google Merchant Center への登録 → 補助フィードによる上書き

補助フィードやフィードのルールを使うならば、クラシック版の利用一択

前述の通り、2023年11月末時点では、Next版ではクラシック版でよく利用されている補助フィードとフィードのルールが利用できません。さらに付け加えると、インターフェイス上のみならず、API(Content API for Shopping)においても、まだ利用することができません。

つまり、補助フィードとフィードのルールを利用しているアカウントがNext版にアップグレードされてしまうと、現時点でこれらの2つの機能が触れなくなってしまうという事象が発生します。

クラシック版で設定されている補助フィードやフィードのルールがどのように動作するかなどに関しては、まだ確認をしたり情報もありませんが、アップグレードした途端に未編集の商品情報に戻ってしまう可能性を秘めています。

2024年から順次始まるアップグレードは、2023年11月末時点では事前にオプトアウトする手段が存在ないため、いずれどこかのタイミングで1度はNext版アカウントに変換されてしまう事になります。

Google 広告のサポート窓口など多方からの情報によれば、補助フィードとフィードのルール機能の実装は予定されているようですが、それがいつ実装されて利用できるようになるかは2023年11月末時点では不明です。

いつ実装されるか分からない機能を待っている間にも機会損失などが発生してしまうので、補助フィードやフィードのルールを愛用されている方はクラシック版の利用を続けることの方が現時点ではメリットが大きいです。

もし、アップグレードされてしまっても次の手順でクラシック版に戻すことは可能なので、慌てることなく、今のうちからどちらを使う方が良いか検討をしておきましょう。

Next版からクラシック版に戻す方法

ショッピング広告の専門家である FeedarmyEmmanuel Flossie 氏のブログに紹介されていた方法を下記にて引用します。

注意事項として、Next版からクラシック版に戻すと、再度Next版に戻すことはできないようなので、切り替えは慎重に検討された上で行ってください。

  1. Google Merchant Center ダッシュボードに移動します
  2. 右上隅にある疑問符 (?) アイコンをクリックします
  3. ヘルプポップアップが表示されます。一番下までスクロールします
  4. [Classic Merchant Center を使用する] オプションを選択します

切り替えようとすると、一部の機能や情報が失われる可能性があるという警告が表示されます。ただし、経験上、運用上の問題を引き起こすような重大な損失はまだ見つかっていません。

https://feedarmy.com/kb/how-to-convert-google-merchant-center-next-to-google-merchant-center-classic/

商品数が少なく、手動で管理しているのであればNext版のままでもOK

補助フィードやフィードのルールを利用せず、Google Merchant Center上から手動で商品を追加したり、手動で個別に商品情報を上書きしているようなケースではNext版を利用しても問題ないでしょう。

ただし、Google Merchant Center ヘルプにはNext版に関するコンテンツがまだ少なく、現時点のNext版を活用するほどの情報量があるか?というと「ない」状況なので、自己責任で解決可能な自信がなければクラシック版を利用するのも手です。

Google Merchant Center は Google 広告のヘルプコミュニティで相談することも可能ですが、まだNext版の情報が少ないこともあり、参加者が問題解決のお手伝いをすることは難しいかなと思います。

データフィード最適化(DFO)ツールを利用中の場合は事前に確認を

データフィード最適化ツールでは、ツール側で商品情報を事前に編集(前処理工程)してアップロードする機能が備わっているものが多いので、Next版に実装されていない補助フィードやフィードのルールの影響を受けないケースも存在するかと考えられます。

データフィード最適化ツールを利用されている場合は、Next版でも問題なく利用できるかは確認しておくと良いででしょう。恐らく、ツールベンダー各社が既にアナウンスもされていると思うので、お知らせ等を探してみましょう。

最後にひと言(心の声)

Google Merchant Center Next、ユニバーサルアナリティクスからGA4に置き換わったのと同じニオイがするのは私だけでしょうか。

一方で補助フィードとフィードのルールが使えないことに関する Google 側の損失って計り知れないと思うので、彼らが販売者の立場になっての開発に尽力してくれることを祈ります。