2024年2月19日(米国時間)に Google Merchant Center のヘルプページが更新され、Google Merchant Center の商品データで利用する商品画像を生成AIで作成する場合のガイドラインが明示されました。
Google は画像に背景情報を追加し始めている
生成AIの性能が加速度的に上がっている一方で、その画像が本当にカメラで写真として撮影されたものなのか、生成AIで生成されたものなのかの見分けが付かなくなるのは時間の問題です。
その中で Google は、その画像が実物のものなのか生成AIなのかと言った背景情報をユーザーに提供することで、ユーザーがその画像が信頼できるものなのか判断できるような仕組みを提供し始めています。これは「この画像について」という機能で、米国(英語)から順次提供が行われています。
この背景情報は IPTC 写真メタデータとして画像に付与できるもので、Midjourney や Shutterstock など複数のパブリッシャーを使って生成された場合は、生成された画像内に自動で付与されるようになるとのこと。
IPTC 写真メタデータがどのように使われているかについてはこちらの記事が参考になります。
生成AIを使って作成した商品画像は IPTC 写真メタデータを保持する
Google が画像に背景情報の提供を目的として IPTC 写真メタデータ付与を求めており、これは Google Merchant Center の商品画像も同様に、商品画像を生成AIで生成した場合は IPTC 写真メタデータの付与を求める。と言うのが、今回 Google がポストしたアナウンスの主旨です。
冒頭で紹介した Google からのアナウンスを引用します。
If you’re using AI-generated images in Merchant Center, Google requires that you preserve any metadata tags which indicate that the image was created using generative AI in the original image file.
Don’t remove embedded metadata tags such as trainedAlgorithmicMedia from such images. All AI-generated images must contain the IPTC DigitalSourceType trainedAlgorithmicMedia tag.
These requirements apply to the following image attributes in Merchant Center Classic and Merchant Center Next:
Preserving metadata tags for AI-generated images in Merchant Center – Google Merchant Center ヘルプ
- Image link [image_link]
- Additional image link [additional_image_link]
- Lifestyle image link [lifestyle_image_link]
日本語に訳すと下記です。
Merchant CenterでAIによって生成された画像を使用する場合、Googleは、画像が生成AIを使用して作成されたことを示すメタデータタグを元の画像ファイルに保持するよう求めています。
このような画像から trainedAlgorithmicMedia などの埋め込みメタデータタグを削除しないでください。すべてのAI生成画像には、IPTC DigitalSourceType trainedAlgorithmicMediaタグが含まれている必要があります。
これらの要件は、Merchant Center ClassicおよびMerchant Center Nextの以下の画像属性に適用されます:
Preserving metadata tags for AI-generated images in Merchant Center – Google Merchant Center ヘルプ
- 商品画像リンク [image_link]
- 追加の商品画像リンク [additional_image_link]
- 商品使用イメージ画像リンク [lifestyle_image_link]
まず IPTC 写真メタデータが付与されているかの確認や編集には、これらの機能が備わったソフトウェアを用意する必要があるので注意です(詳細は割愛します)。
生成AIによって生成された商品画像に IPTC 写真メタデータが付与されていれば、特に何もせずそのまま利用することができます。しかしながら、 IPTC 写真メタデータが付与されていなかった場合は IPTC 写真メタデータを付与してあげる必要があります。
ここで言う商品画像は、画像リンク [image_link] 属性、追加画像リンク [additional_image_link] 属性、商品使用イメージ画像リンク [lifestyle_image_link] 属性で指定される商品画像を指します。
ほとんどのケースで何か対応するものはない
とはいえ、生成AIを使って商品画像を生成しているケースはほぼ無いと思いますので、基本的に販売者がこのアナウンスを受けて対応する必要はありません。
また、Google Merchant Center Next で提供される Product Studio では、生成AIを使って商品画像に背景を付け足す事ができますが、その機能自体を Google が提供しているので、IPTC 写真メタデータについて気にする必要は無いでしょう。
もし、万が一それ以外に生成AIを使って商品画像を生成している場合はこのガイドラインに沿って対処することをおすすめします。
しかしながら、現時点では IPTC 写真メタデータの有無でポリシー違反になるということにはならないので、すぐにアクションを起こす必要は無いですが、今後の動向には目を見張っておいた方が良いでしょう。
メインとなる商品画像の装飾は、最低限または一切含まれないようにする必要がある
生成AIの話題からはそれますが、メインとなる商品画像を指定する画像リンク [image_link] 属性では「画像の装飾は最低限または一切含まれないようにすること」が最小要件として決められています。また、背景も白一色または透明にすることが推奨されています。
そのため、もし生成AIを使ってメインとなる商品画像を作成する場合は、装飾なし、背景も白に統一というルールは守らなければなりません。
追加の商品画像や商品イメージ画像では背景の生成が許可される
Product Studio を使用して背景を生成した商品画像は、追加画像リンク [additional_image_link] 属性、商品使用イメージ画像リンク [lifestyle_image_link] 属性で利用することが推奨されます。
Product Studio を利用せずに生成AIを使って背景を生成した商品画像も、上記の追加画像リンク [additional_image_link] 属性、商品使用イメージ画像リンク [lifestyle_image_link] 属性で利用するに留めておくと良いでしょう。
商品画像に悩んだら
各商品画像の属性に関するヘルプページには、商品画像はこうするのがおすすめと言う情報はあるものの、あまりにも説明が少なくイメージもしにくいかと思います。
そのような場合は、Amazon の amazon 出品大学のコンテンツ「メイン画像・サブ画像について」が参考になります。
Amazon の商品画像仕様とまったく同一ではないですが、良いメイン画像例や良いサブ画像例なども交えて紹介されているので、商品画像を用意するときの参考になるはずです。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。